「おしり・ふともも」が歩くたびに痛い。最近は「しびれ」まで。このまま放っておくとどうなるの?
一か月前から歩くたびに「おしりやふともも」あたりが痛むようになってきた。
「ズキッ、ズキッ」となんともイやな痛み。
「そのうち治るか」と様子を見ていたらだんだん症状が変化。
「ピピーッ」と電気が走るような痛みが出たり、なんとなく「しびれ」まで出てきたのです。
このまま放っておくとどうなるの?
今回のブログでは、「坐骨神経痛」の気になる症状や考えられる原因、治療法などをお伝えしたいと思います。
悪化すると日常生活が困難になることもある「坐骨神経痛」、よく知って立ち向かって参りましょう。
よく聞く「坐骨神経痛」これは症状であり病名ではないのです
今まで忙しく過ごしてきたウン十年、腰痛はずっとあったけど寝込むほどではなかったので湿布などでごまかしてきた。
ところが一か月前から気になる症状が現れてきた。
それは「おしりからふとももにかけてのどこか」の痛み。
「ズキッ、ズキッ」と歩くたびに規則正しく感じます。
最初は痛みだけだったはずが、我慢しているうちに長く歩くと足がしびれるように。
「うわぁ、どうしよう、やばいやばい」
やっとの思いで家に帰って「はぁ~、痛かった」と横になると、あれ、痛くなくなった。
しばらく休んでから台所に立ったら、これまた痛くない。
「まぁ、ずっと痛いわけじゃないから大丈夫!」
「まだ病院に行くほどではないか」と自分で判断したものの、やはり不安が出てきたのでスマホ片手にググッと調べてみることに。
サイトに掲載されたチェックリストに自分の症状を当てはめてみると「うん、これは坐骨神経痛という病気に違いない」と確信。
そのまま他のサイトの文章を読んでみると、「坐骨神経痛は病名にあらず」という気になる言葉が出てきた。
え~っ、みんな「坐骨神経痛になっちゃって」とよく言ってると思うけど。
「病気とちゃうかったら何なん?」
またまたスマホで調べてみると・・・
どうやら「坐骨神経痛」は例えるなら「風邪を引いたら咳が出てつらい」の「咳」の部分。
つまり「痛みやしびれ」の症状のことを指すそうです。
そうとは知らず驚きました。
ただ「坐骨神経痛」が病気の名前でなかっとしても、「咳」には「風邪」という原因があるのだから「坐骨神経痛」にも原因があるはず。
もう少し続けて調べてみたいと思います。
「坐骨神経痛」の発症経路は多岐にわたります
「坐骨神経」は骨盤から出て、おしり・ふともも・ふくらはぎなど体の後ろを通る長い神経です。
「おしり・ふともも」あたりに痛みやしびれがでると「あぁ、坐骨神経痛やね」となるのですが、坐骨神経は膝の裏側あたりでふたつに枝分かれしているので、足先まで痛みやしびれが出ることがあります。
人によっては張りを感じたり、冷たい感じ、熱い感じ、締め付ける感じなどの症状を訴えることも。
痛みやしびれを感じる場所も、足の一部分に強く感じる人、足全体に感じる人などさまざまです。
痛みやしびれの表現は人それぞれなのですが、症状に共通する特徴があるそうで・・・。
- 歩いていると痛みやしびれが強くなり、横になって休むと軽くなる
- ソファーや車のシートに座ると痛みやしびれが強くなる
- 前かがみになるとつらい、または前かがみの方が楽
このように、姿勢や動き方によって痛みやしびれの強さが変化するのが「坐骨神経痛」の特徴、そして「症状が複雑だ」といわれる理由かもしれません。
「坐骨神経痛」を引き起こす疾患とは
では本当のところ、「坐骨神経」が圧迫されたり刺激を受けたりする原因は何なのでしょう?
調べてみると、代表的な病名がふたつあがってきました。
1.腰椎椎間板ヘルニア
比較的若い人に多い。
同じ姿勢を続けるたり重い物を持つなどの原因で、骨と骨の間のクッションである椎間板がはみ出したり飛び出したりする病気。
病院でレントゲンを撮ってもらった時に「このヘルニアが神経に当たっているのが原因だよ」といわれることが多い。
2.腰部脊柱管狭窄症
50代以上の患者さんが多く、加齢とともに腰椎が変化し脊柱管内部が狭くなることで、中を通る神経が圧迫される病気。
病院で「年齢とともに脊柱管って狭くなる宿命なんですよ」といわれることがある。
3.原因不明
「レントゲンでは異常が見つからない」と「原因不明」とされることも。
「異常がないのに痛い」のはレントゲン画像では、筋肉などの組織の異常を映すことができないから。
「え~っ、それやったら何の解決にもならへんやんか」とガッカリしますが、このあたりに「坐骨神経痛」の不思議があるように思います。
つまり「骨の異常が痛みのすべての原因とはいえない」こと。
「坐骨神経痛」の痛む場所をもう一度考えてみると、「ある日はおしり」「別の日はふともも」と変化、痛みも「今日はビーン」「今日はピリピリ」などバラエティに富んでいますよね。
もし「骨の異常がすべての原因」ならいつも同じ場所が痛むはず。
ますます訳が分からなくなりそうなので、次に病院ではどのような治療が行われているかをお伝えしたいと思います。
「坐骨神経痛」具体的な治療法とは?
「坐骨神経痛」と病院で診断されると、具体的にどのような治療になるのでしょうか?
- コルセット・牽引
- 電気をあてる
- マッサージ
- 湿布
- 薬(痛み止め、筋肉をゆるめる、血流改善など)
- ストレッチの指導(理学療法)
- 注射(ブロック注射など)
ここでわかるように、病院で「坐骨神経痛」と診断されると、まずは鎮痛消炎を目標に治療をするようです。
重症になり、ぼうこうや直腸などに障害があらわれるレベルになって、初めて「手術」が検討されるとか。
腰には神経がたくさん通っていて後遺症が出る可能性があることから、簡単には手術を行わないそうです。
「坐骨神経痛」は神経が圧迫されている場所近くの筋肉が硬いことが、痛みやしびれを強くさせると考えられているのですね。
当院の院長も「坐骨神経痛」の患者さんには「おしりの筋肉の深いところに石のように硬いものがある」と言います。
鍼治療では、その「石のように硬い筋肉」を柔らかくしていくのですが、不思議なことに骨の異常は変わらないのに、治療を続けていくうちに痛みやしびれが軽減されていきます。
では「石のように硬い筋肉」とは何でしょう?
まさか筋肉が石に変わってしまったとか?
安心してください。
そうではありません。
「坐骨神経」は骨盤から足先へ向かっているのですが、骨盤の出口あたりの深いところで「梨状筋(りじょうきん)」という筋肉のトンネルを通っています。
この「梨状筋」、通常は柔らかいはずなのですが、日々の姿勢や仕事などで腰や股関節に負担がかかり続けると骨のように硬くなるのだとか。
なんと「石のような筋肉」の正体とは「硬くなった梨状筋」だったんです。
「硬くなった梨状筋」の近くを「坐骨神経」がたまたま通っているために圧迫され、その結果痛みやしびれが出ていたのです。
「坐骨神経痛」放っておくと怖いんです
ここで最初のテーマに戻りますが、「もう何やっても全然治らへんからガマンする」とあきらめた場合、どんな未来が待っているのでしょう?
軽度
突然おしりやふとももに強い痛みを感じる人もいますが、初めはだるさや違和感、重さを感じる程度のことが多いです。
ふくらはぎがつったり、むくみやすい人もいます。
初めのうちは毎日症状が出るわけではなく、時々「チクチク」「ピキッ」と痛みを感じる程度。
そのうち長時間座っていたり、長く歩いたなどがきっかけとなって痛みだけでなくしびれが出てくる。
中程度
痛みやしびれがひどくなり、座るだけで痛い。
痛くて立っていられない、力が入らない、長く歩けないなど日常生活に支障が出る。
夜痛くて眠れない、横になるだけで痛いなど深刻な悩みが出てくる。
重度
下半身の血流が悪くなり症状がさらに増える。
神経の働きが低下することで足の感覚が鈍くなり、下肢に力が入らなくなる。
排尿・排便に障害が出てくる。
病院で「手術」という選択肢を示されるのはこの頃。
軽度から重度へ徐々に症状が進んでいきますが、実は重度になるまでにはかなりの時間が経過しているもの。
「これはおかしいぞ。」と思ったら、症状が軽いうちに対策を取ること大事です。
あなたの「坐骨神経痛」、なぜ起きているのか?
それは「坐骨神経痛」をかたよった不良姿勢の積み重ねの結果の症状だと当院の院長は考えています。
例えば「坐骨神経痛」を訴える人は「事務職」「運転手」「販売員」など職種を問わず「同じ姿勢を続けていることが多い」という現実。
つまり「一日をほとんど同じ姿勢で過ごしていると、筋肉の同じ場所に負担がかかり続けるのです。
その結果、絶え間なく負荷のかかった筋肉は時間の経過とともに筋肉疲労を起こし、固縮化していきます。そして筋肉の中を走行している神経に過剰な負担がかかるといわゆる坐骨神経の絞扼によるもろもろのつらい症状が発症とのことです。
そして侮れないのがメンタルの問題と院長は言ってます。明らかなストレス、漠然とした不安、慢性的な抑うつ感などは自律神経の不調を招き、心が不安定な脳内環境では常時筋肉が過緊張し、神経痛を引き起こす一因になります。
統園鍼灸院では問診に時間を割いております。一言で坐骨神経痛といってもこのように発生機序はみんなそれぞれ別物なので、なぜこの患者さんは今つらい状況になってしまったのか時系列的にじっくりと患者さんの心の声に耳を傾けるよう心がけております。
毎日を一生懸命過ごしているとついつい、ま、これくらいの痛みやしびれはそのうち治るだろうと楽観視しがちですよね。しかし過信はやめにしませんか。
まだまだ人生は続いていきます。
「あぁ、あそこで手を打っておけば」と後悔しないためにも、痛みやしびれがひどくなる前に、ぜひ統園鍼灸院までご相談ください。