突然で起こる「耳鳴り」。放っておくと耳が聞こえなくなることも。
ある日突然聞こえ始める「耳鳴り」
キ~ン、ピー、ジージーと様々な音で表現され、人によっては音が気になって眠れなくなったり、集中力がなくなったりします。
それだけでなく、耳鳴りが難聴やめまいの前兆のことも。
今回のブログでは、
- 耳鳴りはなぜ起こるのか?
- 耳鳴りのタイプ別見分け方
- 耳鳴りの原因はストレス?
などを中心に一筋縄ではいかない「耳鳴り」についてお伝えしたいと思います。
どんな人が耳鳴りになりやすい?耳鳴りの正体とは
毎日家事や仕事で時間に追われ、夜はバタンキュー。
朝になるとまたバタバタが始まり、ふと気が付けば「あれ、もう一週間たった。」「一か月たった。」
・・・そんな感じで過ごしてきた数十年。
「時間がたつのが早いのは元気な証拠っていうしね。」なんて言いながらなんとかやってきたけど、ある日気がついたんです。
「耳が変!」だと。
「何?なんかシャーシャーって音が右耳から聞こえてくるような・・・?」
気になって家族に聞いてみた。
「なぁなぁ、なんか変な音聞こえへん?」
しつこく聞いていると「別に音なんかしいひんよ。お母さんだけに聞こえるんとちゃう?こわっ!」と言われてしまいました。
私にだけ聞こえる変な音・・・?
「もしやこれが耳鳴り?」とハタと気づきました。
そういえば昔、おばあちゃんが「耳鳴りうるさいわぁ」とこぼしていたような。
「これがそうなんや。私も年をとったもんだ・・・」と感慨にふける場合ではなかったのです。
この「耳鳴り」というものはなかなかクセモノで、リラックスしたい時に限って音が大きくなるんです。
例えば就寝時。
ウトウトしかけると「シャー」こうなるともう右耳が気になって眠れない。
耳鳴りが嫌だからうっかりスマホなどを見てしまうと、ますます眠れなくなって焦る一方。
例えば本や雑誌を読んでいるとき。
耳鳴りが気になって集中できず、話の筋を追えない。
同じ文章を2回読んでしまったりしてイライラ。
「そのうち治るんちゃうかなぁ?」となるべく気にしないように過ごしましたが、2週間が限界でした。
「これは何とかしなければ」ととうとう近所の耳鼻科に行くことに。
それにしても、耳鼻科ってなぜこんなに混んでいるんでしょう?
2時間後、やっと名前を呼ばれて問診や聴力の検査。
特に問題はないいう結果が出ました。
先生は「まぁ、聴力に問題はないし、血流を改善する薬とビタミンを出しておきますので、様子をみてください。」とおっしゃいました。
とりあえず検査で異常がなくてホッ。
「この薬で治まるといいんやけどなぁ。」
耳鳴りと自律神経とストレスの三角関係
こんなこどがあって「そもそも耳鳴りって何やねんやろ?」と疑問に思ったので、今回もスマホで検索してみることに。
たくさんヒットしてきました。
耳鳴りはあらゆる年齢の人に発症する可能性がありますが、やはり50代以上の世代に多いとか。
「まさに私やん。」
データによると人口の10%~15%の人が耳鳴りを感じていて、日本人では1000万人以上が悩んでいるそうです。
「え~っ、多すぎるんちゃう?」
患者の数も増える一方で、最近の20年間で1.5倍以上になっているとか。
「あぁ、私も仲間になってしまったわ。」と思ってみたものの、やはり気になるこの症状とは1日も早くサヨナラしたいところです。
まずは「敵の正体を知る」という意気込みで、またもやスマホ片手に調べてみることにします。
聞こえる音でチェック!タイプ別「耳鳴りの見分け方」
耳鳴りと一口に言っても、原因が複雑でなかなか突き止められないとか。
といっても「耳鳴りの聞こえ方」である程度推測できるそうなのでお伝えします。
ご自分の「耳鳴りの音」をよ~く吟味してくださいね。
まず、数秒から数分以内のキ~ンやジ~ンという耳鳴りは、「生理的耳鳴り」といって心配いりません。
心配なものとして挙げられるのは
- 時間や日にち単位で耳鳴りが止まらない
- 耳が聞こえづらい気がする
- 耳が詰まった感じや圧迫感がある
- めまいやふらつきがある
などの症状が同時に出ている場合です。
あえて耳鳴りの聞こえ方で分類してみると・・・
- 低音型・・・ゴー、ボーなど低い音が聞こえたり、耳が詰まったようにかんじるもの。
- 高音型・・・キーン、ピーなど金属音や電子音が聞こえるもの。
- 雑音型・・・ジージー、ザーなどに加えシューなどの異音が混じるもの。
と分けられます。
ではひとつずつお伝えしたいと思います。
1.低音型
①突発性難聴
最近30代から50代に増えている耳鳴り。
急に聞こえが悪くなったら大至急耳鼻科へ。
2週間以内に治療を始めないと難聴の回復が難しくなることも。
②メニエール病
低音型の耳鳴りとともに、周りがグルグル回って見える回転性のめまいを伴う。
抗めまい薬による治療が主に行われる。
③耳管開放症
耳鳴りとともに耳が詰まった感じがして、自分の声が大きく聞こえる。
通常は閉じている耳と喉をつなぐ「耳管」が開いた状態になってしまう病気。
軽症の場合は漢方薬などを使い、自然治癒を促す。
2.高音型
こちらは残念ながら「加齢性難聴」の可能性が高いそう。
人間の聴力は高音域から聞こえづらくなることがわかっていて、脳が高音を聞こうと過度に興奮した結果、耳鳴りにつながるとか。
適切に補聴器を使用すると耳鳴りが軽くなる場合があるので、医師に相談することが大切。
3.雑音型
原因がいくつか重なっていると考えられるので、一度耳鼻科の受診を。
雑音型は原因が複雑になっているかもしれないので、病院の先生にお任せしましょう。
それにしても、耳鳴りの音である程度判断できるとは驚きでした。
あまり気は進まないけど、自分の耳鳴りと向き合うことが肝心のようです。
「耳鳴り」は体がストレスを通知する警告音?
「耳鳴り」と「ストレス」。
よく並べられる言葉です。
「最近、耳鳴りがひどいねん。毎日ストレスでしんどいから。」こんな具合。
では何故、「ストレス」を受けると「耳鳴り」になるのでしょう?
これは人の体のしくみと関係があるようです。
めまぐるしい社会の変化の中で、ストレスと無縁で生きていくのは難しい現代。
そもそも「ストレス」って何者?
スマホで調べているうちに「おやっ?」と思うものがあったので紹介します。
それは「人が感じるストレスには段階がある」という考え方。
この考え方では、体の活性度をグラフ化。
全くストレスがない0の状態から、山なりの放物線を描いて変化していきます。
全くストレスがない状態を①退屈とし、②やる気→③快適→④イライラ→⑤燃え尽き→⑥うつ状態となり、③快適あたりが頂点になります。
一般的に「ストレスは悪者」というイメージがありますが、ストレスも「人間性の成長」という意味では必要なものなんですね
とはいえ、過度のストレスが「体に影響を与える」のは確か。
④イライラが止まらなくなってくるあたりから顕著になってきます。
これは大事なことなのですが、普段人の体の調子が整えられているのは、自分の意志で調節できない「自律神経」が「今は動くとき」「今は休むとき」と適度に判断してくれているおかげ。
例えば、夜眠くなると足が温かくなって自然と眠りに落ちるのは、「動くときに働く交感神経」から「休むときに働く副交感神経」へとうまく切り替わるからなんです。
この切り替えがうまくいかないと、頭は眠いといっているのに目は冴えわたるという困ったことに。
ストレスで脳がイライラし続けると、闘争の神経(交感神経)が常にONとなり、休むべきときに脳も体も休めなくなるのです。
するとどうなるか・・・。
体中の筋肉がカチカチに硬くなり、血流が悪化。
首や肩の血流が滞ると、耳の中も影響を受けて耳鳴りが起こりやすくなります。
最初に「耳鳴りで悩む人が増えている」というのは、「検査でハッキリ理由がわからない耳鳴りの患者さんが増えている」といえるのかもしれません。
「ストレス社会、恐るべし」です。
自分の耳を触ってみよう。硬い人は要注意!
突然ですが、あなたの耳を触ってみてください。
「えっ?耳なんかゆっくり触ったことないで。」という方が多いと思いますが、実は耳鳴りで悩む人で「耳が赤ちゃんレベルにフワフワ」という人はいないそうで・・・。
つまりストレスで体が硬くなると、耳まで硬くなるというのです。
ちょっとビックリ!
逆に耳が柔らかくなったら「耳鳴りが小さくなった」という人もいるそうなので、院長に「耳が柔らかくなる方法ないですか?」と聞いてきました。
なんと「耳をひっぱるのがいいよ」とのこと。
早速お伝えしましょう。
<院長直伝 耳ひっぱり法>
こんな時にどうぞ。
- 朝、ボーッとしているとき
- 長時間のパソコン作業につかれたとき
- 夜、寝つきが悪いとき
強くひっぱる必要はありません。
耳をちょっと広げてあげる意識でOKです。
- 中指を耳のくぼみに軽く入れ、親指を耳のうしろに添える
- 心地いい強さで斜め後ろ方向へ引っぱりながら深呼吸
ポイントは肘を横に軽く張り、遠くの水平線をみるようなイメージで行うこと。
座っていても立っていてもOKなので、楽な姿勢でどうぞ。
そのあと耳の周りをマッサージすると、さらに効果がアップしますよ。
怖いのは突発性難聴です。鳴りやまない耳鳴りは体の異常を伝える警告音です。
「耳鳴り気になるな~。でも病院に行くのは時間ないし・・・。」と思う方もいるでしょう。
でも耳鳴りは体から何らかのお知らせ。
特に耳鳴り以外の症状がある場合は、放っておくと難聴が残る可能性があるので、一刻も早く耳鼻科を受診してください。
幸い検査で原因となる病気が見つからなかったら、「もう、仕方ないやん。」とあきらめず、次は「何かストレスになることあったかな?」と振り返ってみることが必要です。
でもストレスの原因はこれだ!とわからないことも多いとか・・・。
例えば暑さや寒さ、高気圧・低気圧などもストレスになるというのですから。
理由はなんであれ、必要とする量以上のストレスが心身にかかった時、体に不都合がでるというのですから困ってしまいます。
「どうしたらいいねん?!」と途方に暮れそうになりますが、気を取り直してゆっくり考えてみたいと思います。
整理してみますと、耳鳴りが起こるプロセスは・・・。
- 何らかの原因で自律神経のバランスが崩れる
- 首や肩をはじめ、全身の筋肉が緊張してガチガチに硬くなる
- 筋肉の緊張で血流が悪くなり、耳の中にまで影響し耳鳴りが起こる
大きくまとめるとこんな感じでしょうか?
次にこの順番を逆にたどっていくと、鍼灸院の得意分野が見えてきます。
つまり鍼治療で全身の筋肉をゆるめてあげると、「耳鳴り改善へのアプローチ」となるんです。
実際「原因不明の耳鳴りが・・・」と来院された患者さんが、鍼治療を続けていくうちに「耳鳴り」が軽くなっただけでなく、「毎日だるい」「眠れない」という不定愁訴まで軽くなったということもありました。
鍼治療で自律神経を整えると、結果的に生活の質まであがったんですね。
その患者さんは今も定期的に鍼治療を受けていらっしゃいます。
「耳鳴り」といっても原因はさまざま。
検査で異常が見つからないのに耳鳴りが一向に治まらない、そんなときは統園鍼灸院へ一度お越しください。
回復への道筋を一緒に見つけましょう。