突然の肩の「激痛」。 これが「五十肩」なの?
少し前から「肩がコキコキするなぁ」「なんとなく動かしづらいなぁ」と思っていたら、ある日突然襲ってきた肩の「激痛」。
あまりに痛みに完全にパニック!
これが「五十肩」?
今回のブログでは、突然やってくる「五十肩(四十肩)」について、次の3つを中心にお伝えしたいと思います。
- 「五十肩」と「四十肩」どう違うの?原因は?
- 「五十肩(四十肩)」放っておけば治る?
- 痛い「五十肩(四十肩)」とサヨナラするために
スムーズに動く肩に戻すにはどうすればいいか、参考にしてくださいね。
「五十肩」「四十肩」どう違うの?原因は?
「五十肩」「四十肩」と一般的に言われますが、正しくは「肩関節周囲炎」といいます。
江戸時代に記録に残されているほど、古くから人々の悩みの種になってきた「肩の痛み」
その字のとおり、「肩の関節の周囲に炎症が起きる」病気ですが、なぜ「五十肩」や「四十肩」と呼ばれるようになったのでしょう?
その理由は、単純に「五十代の患者が多かった」からなのだとか。
そして時代が下るにしたがって、ライフスタイルの変化から四十代の人にも増えてきて・・・。
面白いですね。
最近はより若い世代に増えてきているそうなので、近々「三十肩」と命名されるかもしれません。
さて突然の「激痛」で始まる「五十肩(四十肩)」ですが、何が原因で起こるのでしょう?
考えられる原因として、「加齢に伴う筋肉の衰えから血流が悪くなりコリが発生。筋肉どうしが癒着して肩関節の周りに炎症が起きたから」といわれています。
ただ最近では若い人にも増えていることから、「生活習慣やストレスによって、肩関節に長期的な負担がかかり発症するのでは?」という考えも出てきています。
腰でも首でも肩でも「いつもカチカチに硬い状態」だと、ほんの少しの刺激ですぐに炎症が起きてしまうのですね。
「硬い」だけだと自覚症状がない場合もあるので、気をつけた方がよさそうです。
「放っておいたらそのうち治る」はホント?
あまりに毎日痛いので、周りの人に「五十肩になって痛いんです」とこぼしていたら、何人かの年上の方から「五十肩は放っといたらそのうち治るよ~。」と言われました。
「こんなに痛いのに、放っといたら二度と動かなくなるんと違います?」と尋ねると、「大丈夫、大丈夫」と返事が。
ホントに放っておいて治りますか?
疑問がどんどん膨らんでいきます。
実は年上の方々が教えてくれたことは、一部は正解なのです。
というのは先ほどからお伝えしているように、「五十肩(四十肩)」は肩関節の周囲の筋肉が炎症を起こしている状態なので、大雑把に言ってしまえば「炎症が治まれば痛みはほぼ治まる」からです。
ところがここに大きな落とし穴が!
「放っておいたら大丈夫」と教えてくれた方々の肩は、「五十肩」になる前と同じ角度で動かせていますか?
もしかして、動かせる範囲が狭くなっていませんか?
つまりこういうことなんです。
「五十肩」になったとき、もし「寝ていてもうずいて眠れない」「日常生活に支障が出るほど痛い」ほどの「激痛」であった場合、大体2年ほど経つと、多少の運動制限や痛みが残っていても日常生活は問題なく過ごせるようになります。
最初の「強烈な痛みの記憶」と比べると、現在はずいぶん楽になっているので、人に話すとき「勝手に治った」という表現になり、一般的にも「放っておいたら治るよ」というイメージにつながったと考えられます。
さてここで話をいったん止めましょう。
実はここまでに「五十肩(四十肩)あるある」が2つ入っていたのですがわかりましたか?
正解はこちら!
- 「五十肩(四十肩)」は2年ほど経てばほぼ治る
- 本人が治ったと思っていても、運動制限が残っていることが多い
つまり「運動制限が多少残ってもかまへんわ」と考えるのなら、「治るまで2年ほどガマンする」という選択があるのです。
逆を言えば「早く対策を立てれば、完治する可能性が高い」といえるのですね。
あなたはどちらを選びますか?
夜寝ていると「ズキンズキン」。肩がうずいて眠れません!
重症の「五十肩(四十肩)」には昼間でだけではなく、夜にもつらい痛みが起こります。
これが「夜間痛」。
眠りを邪魔する痛みです。
「夜間痛」は、「五十肩(四十肩)」の特徴でもあり、最大につらい痛みです。
「夜間痛」はこんな感じです。
- 寝ているときに「ズキンズキン」とうずく
- 突然の痛みで目が覚める
- 寝返りをするたびに痛む
実は私も数年前にひどい「五十肩」で苦しんだ経験があります。
その時一番つらかったのも「夜間痛」でした。
何せやっと眠れたと思ったら、肩がちょっとズレると「ズキ~ン」
「肩が動いたら痛いねんな」と痛い方の肩の下に小さなクッションを敷いて眠っていました。
「激痛」から「完治」までの道のり
昼に夜に絶え間なく痛い「五十肩(四十肩)」
「痛くてガマンできない」から「もう大丈夫」と思えるまでには、3つの「段階」があります。
急性期
激しい痛みを伴い、1~2か月ほど続きます。
「夜間痛」は「急性期」に起こる痛み。
この時期は、肩の痛みだけでなく、首や背中も重く日常生活に支障が出ます。
慢性期
我慢できない痛みと「夜間痛」は少しずつ治まってきます。
でもまだまだ油断できません。
不用意に肩を動かすと「ズキ~ン!」
そのまましばらく「イテテ、イテテ」と痛みが治まるまで待つことの繰り返し。
そもそも日常生活は「不用意な動作の連続」
この時期、私は肩を動かそうとすると、心のどこかで「怖い」とストレスを感じていました。
回復期
一進一退を繰り返しながらも、徐々に回復。
無理な動作をしない限りは痛まなくなってきます。
とはいえ、まだまだ肩は強張っていて、左右の肩の動きには歴然とした差があります。
これが「拘縮(こうしゅく)」といわれる「肩の運動制限」
このまま放っておくと肩関節の中で「癒着」が起こり固まってしまいます。
病院では「慢性期」になるのを待って、リハビリを始めます。
有名な「アイロン運動」や「ペットボトルを持つ体操」などを勧められます。
この段階になると、「安静」ではなく「ある程度動かして肩関節の癒着をはがしていく」ことを目的にしていきます。
「痛いから動かすのはいややねん~」とずっと安静にしていると、そのままの状態で固まってしまいます。
うわぁ、怖いですね。
少し痛くても「正しく動かして可動範囲を広げる」ことが「回復期」にはとても大事なんです。
ショック!!「五十肩(四十肩)」なりやすい人がいるらしい・・・
ここでひとつ質問です。
「五十肩(四十肩)」どういう人がなりやすいと思いますか?
「そりゃ、肩をめちゃくちゃ使ってる人ちゃうかな?」とすぐ答えがかえってきそうですね。
私もずっとそう思っていました。
でも・・・じつはNO!だったんです。
「五十肩(四十肩)」は「肩をあまり動かさない人」例えば事務などの仕事に就いている人の方がなりやすいそう。
それは何故か?
最初にお伝えしたように「五十肩(四十肩)」は「何らかの原因で筋肉が衰え、血流が悪くなっているところに刺激が入って起こる」からです。
「肩をいつも使っている人」は動かすことによって肩に血流が巡るので、かえって「五十肩(四十肩)」にはなりづらいとか。
もちろん動かしすぎはケガのもとですが・・・。
というわけなので、以前「五十肩(四十肩)」なって今は治った方。
今までと同じような生活を続けていると、もう一方の肩もなってしまうかもしれません・・・。
もう怖い話ばかりでいやになります。
それほど「肩関節の構造」は複雑で繊細。
グルグルとあらゆる方向に動かせるのは「球関節」の特徴で、院長いわく、「人体で球関節があるのは、肩関節と股関節だけ」なんだそうです。
動かしても痛くない肩に戻りたい・・・どうすればいい?
まず本当に「五十肩(四十肩)」なのかどうか、病院で診断してもらうことが大切。
例えば「肩石灰沈着性腱炎(かたせっかいちんちゃくせいけんえん)」という病気があります。
かかりやすい年代も、夜間痛や運動制限があるなどの症状も「五十肩(四十肩)」にそっくり。
ただしこちらは「肩の腱板という部分に石灰沈着があって炎症を起こしている」ので治療法が違ってきます。
でも石灰が沈着しているかはエックス線などで確認しないとわからない・・・。
他にも「五十肩(四十肩)」と似ているけど治療法が違う病気がいくつかあるそうなので、「まず診断」と覚えておいてくださいね。
そして病院に通って「五十肩(四十肩)」の治療を受けていても、なかなか「激痛」から解放されない場合は、ぜひ統園鍼灸院へお越しください。
鍼治療と整体治療で炎症を抑えていくと、次第に肩の痛みの質が変化し、「これくらいの痛みだったら動かせるかも」と希望を持っていただけると思います。
私の場合、通常1~2か月続くといわれる「夜間痛」が鍼治療のおかげで、わずか2週間ほどで治まりました。
当院では、まず鍼治療で「激痛の急性期」からいち早く脱出、治療を続けながら自宅でのリハビリを院長より丁寧にお伝えします。
目指すのは「運動制限のない完治」です。
「ズキズキジンジン」我慢できない「五十肩(四十肩)」
鍼治療と正しいリハビリで「動かしても痛くない肩」を取り戻していきましょう!