「あっ!痛い!」突然起こる「ぎっくり腰」は「魔女の一撃」?
「くしゃみをした時」「重い荷物を持ち上げた時」「振り向いた時」
毎日のあらゆるシーンの中での何気ない動作で起こってしまう「ぎっくり腰」。
腰の奥のほうで「グギッ」と小さく音がして・・・
「これはアカンやつかもしれない」と頭は真っ白になります。
おそるおそる体を起こそうとすると「ズキン!!」とんでもない激痛が体を突き抜けます。
この痛みはまさに良からぬものに腰を攻撃された感じ、「魔女の一撃」とはよくいったものです。
さて「どうしよう、どうしよう」背中は固まり、頭はパニック、それでもソロソロと横になりますが、トイレに行く時もまるで赤ちゃんのようにハイハイしていく始末。
「あぁ情けない~」と涙が出そうになります。
こんな風に何の前触れもなく突然起こる「ぎっくり腰」ですが、今回のブログでは「ぎっくり腰」の「応急処置」と考えられる原因、二度と「ぎっくり腰」にならないために気をつけることなどをお伝えしたいと思います。
このブログを読めば、いつ来るかわからない「ぎっくり腰」におびえることがない生活に一歩近づきますよ!
「ぎっくり腰」になったとき、していいことと悪いこと
やっとの思いで横になり、必死で痛くない姿勢を探したところで「あれっ?この後はどうしたらいいんやろう・・・」と頭の中にいろんな考えが浮かびます。
そもそも「ぎっくり腰」とは腰椎の周りの筋肉に炎症が起こっている状態で、別名「腰椎のねんざ」と言われています。足首のねんざになったら皆さんはどうやって「応急処置」をしますか?
たぶん「腫れていたら冷やして、その後固定する」これが王道かと思います。
では腰の場合はどうするのか?実は足首のねんざと基本は同じなんですよ。「ぎっくり腰」の具体的な「応急処置」はこちらです。
やっぱり安静第一
痛い方の腰を上にして横向きになり、手近なクッションなどを抱きかかえながら少し体を丸めてみてください。
一時的に痛みが和らぎます。
不自由な生活になりますが、2,3日は覚悟を決めてゆっくり過ごしてください。
冷やす?温める?
「ぎっくり腰」は腰の奥の筋肉が炎症をおこしている「ねんざ」の状態なので、初期の頃はとにかく冷やしてください。
家にあるビニール袋に氷を入れたもので冷やしたり、アイスノンがあればタオルにくるんで腰に当ててください。
ただしずっと当てたままでは凍傷になってしまうので、30分冷やしてその後少し時間をあけます。
痛みがやわらぐまで繰り返し行ってください。
炎症が少し治まるまで、お風呂は2,3日避けたほうが安心です。少しの期間ですのでシャワーで我慢してくださいね。
急に動けなくなったときに試してほしい応急処置(外出編)
ここまでは、運よく自宅、もしくは屋内で「グキッ!」と「ぎっくり腰」になったときの「応急処置」をお伝えしました。
ところがもうお気づきのように「ぎっくり腰」はいつどこでなるかはわからない・・そう、外出先でなるかもしれないのです。
「出かけた先でなったらどうしたらええの?」と不安に思った方は次の方法を頭の片隅で覚えておいてください。
ここで気をつけた方がいいのは、痛さのあまりパニックになって救急車を呼んでしまいがちなこと。
気持ちはわかりますが残念なことに「ぎっくり腰」は「急を要する病気」とはみなされていないので、「安静にしていたら治ります」と家に帰るように言われることもあるとか。
そうなるとせっかく病院に運ばれても、結局は自宅へタクシーで帰ることにもなりかねません。
「歩けないほど痛いのにどうすんねん!」と言いたくなりますが、外出時で「ぎっくり腰」になったときのポイントは、難しいかもしれませんが「できるだけ冷静になる」ことです。
突然の「ぎっくり腰」は自分の力で姿勢を保つことが大変になるので、周りを見回し、とにかく寄りかかれそうな所を探します。同行者がいるときは、その人に助けてもらいましょう。
いない場合はそのあたりにいる人に「ちょっとぎっくり腰になったみたいなので、動くのを手伝ってもらえませんか?」と助けを求めて移動しましょう。
- 壁があったら・・・壁に腰を押し付けて、膝を少し曲げる
- 寄りかかれそうな台があったら・・・膝を軽く曲げて体重を預けます
- ベンチを見つけたら・・・体を「くの字」に折って横向きに寝ます
しばらく時間がたつと落ち着いてきて、ゆっくりとなら動けるようになるので、横になれる場所(できれば屋内)へ移動します。
初期段階では安静にすることが一番の応急処置なので、無理な体勢で急いで病院に行こうとせず、周囲を見回し早く休める方法を探しましょう。
なってしまった「ぎっくり腰」はどれくらいで治る?
「ぎっくり腰」に初めてなった時は、あまりの激痛に「一生このままかも」なんて極端なことを思うかもしれません。
でも大丈夫です!
ひどい「ぎっくり腰」でも初期の「応急処置」さえ間違わなければ、2、3日でかなり治まってきます。
2週間ほどたつと「だいぶ良くなったな~」と回復の兆しを感じるでしょう。
この段階ではまだまだ痛いと思うので、腰痛ベルトなどをして急に腰を動かさないよう気を付けて過ごしてください。
「ぎっくり腰」の原因
ネットで調べてみると「ぎっくり腰の原因」についてたくさんの情報が出ています。
どれも正解だと思いますが、ズバリ言うなら「日常生活で溜まった疲労やストレスが腰の筋肉を硬くさせ、ちょっとした刺激に耐えられなくなって炎症を起こすから」です。
そうです、誰でも簡単になるものなのです。
具体的に言うと?よくある原因として次のふたつが考えられます。
- 長時間の立ち仕事や中腰などの不自然な体勢、疲労の蓄積、運動不足、冷え、ストレスなどがあり、慢性的に腰に負担がかかっている場合
- 良くない姿勢のために徐々に骨格がゆがみ筋肉のバランスが悪くなって、筋肉疲労を起こしている場合
先に書いたように、「ぎっくり腰」は「腰椎のねんざ」です。
足首が「グキッ」となる「足首のねんざ」が腰に起こったと考えてください。
足首の場合、足首が日頃から固くなっていなければ、かなりひねっても「危なかった~、ねんざするかと思った。」というレベルで済む時もありますよね。
腰も同じです。疲労やストレスが腰に固く溜まっていると、ある日、ちょっとした刺激があっただけで「コップの水があふれるように」強烈な痛みとなるわけです。
二度と「ぎっくり腰」にならないための予防策
2週間ほど経って、「ぎっくり腰」のとても痛い炎症期が過ぎてからは、痛いからと安静にし続けるより、痛みの出ない範囲でいつもの生活をスタートした方が腰の状態がよくなることがあります。
長い間横になった生活を続けていると、体を支える筋肉が弱くなり始め、体の血液循環が悪くなって筋肉の修復が遅くなるからです。
とはいえ「前と全く同じサイクルの生活」に戻し切ってしまうと、「ぎっくり腰」が再発しやすいとも言われています。
「そんなん、結局どうしたらいいかわからんやん」と聞こえてきそうですが、実は生活のなかで少し気をつけるだけで再発を防ぐことができるのです。
ポイントはたったふたつだけ
- 荷物を持ったり、何か動作を始めるまえに「ひと呼吸」するクセをつける
- 作業の合間をみて軽くストレッチをする。かがめていた腰をゆっくり伸ばすだけでも、かなり違います。可能ならあお向けでひざを立てて横になります。少しの時間でいいのでこまめに腰を伸ばすことを心がけてください。
二度と「ぎっくり腰」にならないためには「あわてて動き出さないようにする」ことと「腰を固めた状態にしない」ように気をつけることが大事です!気持ちがあせってバタバタ動いているときは特に危険だと、心にとめておきましょう。
それでも「ぎっくり腰」に何度もなってしまう場合
いろいろ気をつけていても「ぎっくり腰」を繰り返してしまう場合や、なかなか治らなくて困ってしまった時は、迷わず専門家の治療を受けることをおすすめします。
治療でひとまず痛みがとれたら、次は「ぎっくり腰」になる前に感じる「前兆」について考えてみたいと思います。
そうなんです!「ぎっくり腰」には「そろそろ危ないなあ」というサインが必ずあるんです。代表的なものを5つご紹介します。
- 腰がつっぱり、違和感がある
- 寝返りすると腰が痛い
- 長時間座っていると腰が痛い
- 普段しない動作をして、腰に負担をかけた
- 腰に疲れがたまっているように感じる
どうですか?このくらいだと「いつものことやし、放っておいたら治るやろ」というレベルかもしれません。でもそれが落とし穴なんです。一度「ぎっくり腰」を起こした腰は、残念ながら健康な腰とは少し違っています。
日頃は自分でメンテナンスを続けていても、「今日はなんか不安やわぁ」と思った時は、「ぎっくり腰」になる一歩手前なので、ぜひ治療を受けてください。
「一歩手前で治療を受けること」が最大の「予防」になります。必要なときには治療を受け、年齢を重ねても自由に動いていられる体を目指しましょう!